ここ数年は、長堀通は谷四から空堀に渡るときに「横断する」対象になっていて、たまに長堀通に沿って進むときも、自転車かレンタカーでピューッと通り抜けています。一方で、そんな時に気になる場所やお店が視界に入ることはあっても、長堀通が常に「途中の道」なので、目的地になることはありませんでした。
長堀通の下を地下鉄が走ってるから、基本的に通りに沿って歩くこともない(必要がない)通りやな、と思って、改めて歩いてみようと思いました。
日時 | 9月23日(月祝) |
旅行先 | 長堀通 |
旅の費用 | ブッシュミルズの水割り 500円 |
おみやげ |
通りを西向きに眺めると、通り沿いにマンションがえらい増えてるなぁという印象。
都心に近くて静かという点で、この辺はマンション立地場所として不動産会社が狙い目なんかな。
右にぐぐーっと曲がっているカーブがそそる。もう少し北の本町通にせよ、大きな通りの坂をぐいぐいと車や自転車で進む坂としてではなくて、眺める対象として松屋町筋から改めてじっくり見てみると、「尾道とか東京とか函館だけが坂の町じゃないぞ、上町台地も坂の町やなぁ」と実感。緩やかな勾配で延びていく感じがすごいそそる。同じように、他の筋や通りも、道路としてみるだけでなく、その伸び方を見ると、結構雰囲気があったりするのに気づく。というか、ドライブウェイとしてみても、ここはええ上り道カーブじゃないか?
通り沿いの建物の裏側はいわゆる空堀で地面が低いから、屋根の上が空。大阪の都心部でおうちの屋根の上が空って!建物がより印象的に映る。
ザ・長堀通そそる階段。長堀通の四番バッター的な光景。何度見てもええなぁと思う。
この階段道沿いには、個性的なお店もある。やっぱり良さが共有されてるんやろな。
川(掘川)やった時の名残か、石垣と雁木らしきものが道路に対してせり立っている。
信号待ちしてて、眺めてたら、なんか違和感。 交差点の角に面して、こんなのっぺらぼうって!
銅座公園に続く北向きの道。立ち止まってみると、めっちゃうねうねしてるやん!上り下りが多い上町台地を象徴する道やなぁ、と少し眺めてた。モトクロスがレースできそう。
この旅行のハイライト。ずっと気になってた純喫茶、近づいてみると、ちょっと雰囲気が違う。純喫茶じゃなかった。カフェバー?多目的スペース?色々とあって全貌がわからないお店。どうしようと、通り過ぎたものの、「旅の恥はかき捨て」「行かずに後悔より行って後悔!」と意を決してエイヤーと数年来忘れてたドキドキ感とともにお店に入った。
取りあえず入って、お店の人を素早く探して丁寧に目で会話して、どこに座るのが正解かお店の配置と雰囲気を力の限り察知して、居場所を探して席に着いた。「ここ座って良かったんかなぁ。」と不安やけど不安を出さない佇まいを心がけてお水とかを持ってきてくれるのを待った。若い男女2人でお店をしてはる。これは昔から営業している感じじゃない。先代から継いだのか、居抜きで入ったのか、そんな感じ。
カウンターにはスーツの男性と近所に住んではりそうなおばあさん、テーブル席はノーパソを触っているお兄ちゃん、カップル。おばあさんはカウンターでスーツの人とお店の人相手にゴキゲンに話してて、その内容が聞こえてくる。
・・・あぁーコレコレ!この心地よいギリギリのアウェー感。いろんな刺激をひしひし感じながら一見やから郷に従おうとする感じがたまらん。これは1人で入らないとわからない緊張感。2人とかで行くと2人の世界でこなせてしまう。
マスターが注文を聞きにきてくれたので、お酒頼んでもいいですか?と確認すると「もちろん、むしろぜひぜひ」というような返しがあったので、ほな、とウィスキーの水割りを頼んだ。こういう時は水割り。水割りのかさが、自分がこのお店に居られる残り時間。
アルコールが少し和らげてくれたけど、店の小さな事件が気になって仕方がない感じ。久しぶり。完全に身内感を出されたら、「ええい、悪いかー!」って気になって開き直って居座れるんやけど、決して蚊帳の外ではなく、この伸び伸びできない、偉そうにできない、ドキドキ感がずーっと続く、アウェー感。
是非また来たい。是非来てまた一見扱いされたい。
学生の時から、駅前商店街にありそうな街の本屋さんがまちなかの大通り沿いに!と気になってた隆祥館書店。店内は所狭しと本棚。どこにレジがあるかもすぐにわからなかった。スペース自体は広いわけじゃなくて、置いてる本が大型書店みたいに網羅されてないのはもちろんやけど、専門書やジャンルに特化したわけでもなくて、あくまでお店の人のアンテナというか感度で選んではりそうな品揃えが新鮮。そうか、セレクトショップっていう本屋のやり方もあるんか、と一人で納得した。お店のご主人は、てっきりおじいさんかと思ったら、若い男女やった!
上町筋で折り返し
ここも学生の時から気になってた(けど車で心斎橋に向かうときに通り過ぎてた)レトロビル。建物の前で立ち止まって見るのは初めてで、今の使われ方と未来の使われ方をいろいろと勝手に妄想。それぐらいに気にさせる佇まい。可愛いし味があるし、慎ましい。
ずーっと前に、この建物の2階に男女が並んで外を向いて、お昼ご飯を食べてたのが印象に残ってて、それ以来、眺めのいい外を向いてランチするっていいなぁと思うようになった。長堀通のどの辺やったかなぁと探し当てられずにいたけど、今回歩いてみて確信した。ここや!
長堀通は知ってる道で知ってるお店もたくさんあるけど、まだまだしがみしろが有るもんやな、と実感しました。知ってる道や場所も、改めてじっくり見てみると、違った感覚を覚えました。長堀通が幹やとすると、それと枝葉として南北の道がつながっていて面白いなぁと思いました。
それと、やっぱり、車はもちろんのこと、自転車に比べて歩きって立ち止まりやすいと思いました。自転車で立ち止まる行為は意思の表れになってしまうけど、歩いて立ち止まるのに理由は求められない。つまり、歩きは冷やかしやすい。